エラワンとノルレボの違いは?
使用方法や実際の効果から比較をご紹介

緊急避妊薬として使われており、当院での取り扱いのあるエラワンとノルレボですが、このページにおいてはその2つの比較をご紹介いたします。

なお、当院ではエラワンをおすすめしています。その理由も含めて、ご紹介させていただきます。

1回
エラワン30mg16,500 円
ノルレボ1.5mg16,500 円
※郵送をご希望の場合は、配送料3,850円がかかります。

エラワンとは

エラワンは「ウリプリスタル酢酸エステル」を主成分とする最新のアフターピルです。欧米では主流で、日本では未承認ですが米国FDAでは認可されています。

性交後120時間(5日間)以内に服用することで高い避妊効果が期待できます。従来の緊急避妊薬(レボノルゲストレル・ノルレボ)の72時間に比べて長い猶予があります。

避妊成功率は24時間以内で約99.5%、120時間以内でも約98%と非常に高く、特に排卵期に近い時期では効果が高いことが特徴です。

服用方法は30mgを1錠、水またはぬるま湯で飲みます。副作用には頭痛(18%)、吐き気(12%)、腹痛(12%)などがありますが、通常24時間以内に治まります。

服用後3〜7日で消退出血が起こることが一般的で、生理は7日程度前後することがあります。

ノルレボとは

ノルレボは「レボノルゲストレル」を主成分とする緊急避妊薬で、2011年に日本で初めて販売された緊急避妊薬になります。性交後72時間以内に服用することで避妊効果があります。早ければ早いほど効果が高く、24時間以内で約95%、48時間以内で約85%、72時間以内で約58%の避妊成功率があります。

主な作用機序は排卵の抑制・遅延と着床の阻害です。服用方法は1.5mgを1錠、水またはぬるま湯で飲みます。

副作用としては消退出血・不正出血、頭痛、悪心、倦怠感などがありますが、通常24時間〜3日程度で治まります。

ノルレボはあくまで緊急避妊薬であり、定期的な避妊方法ではありません。服用後は1週間〜4週間で生理(または消退出血)が起こるのが一般的です。

エラワンと他のアフターピルの違い

エラワンとノルレボには、いくつかの重要な違いがあります。

特徴エラワンレボノルゲストレル(ノルレボなど)
主成分ウリプリスタル酢酸エステルレボノルゲストレル
服用可能期間性交後120時間以内性交後72時間以内
服用回数1回1錠1回1錠
時間経過による効果低下少ない大きい
排卵期の効果維持される低下する
副作用の程度比較的少ない比較的少ない
国内承認未承認承認済

ノルレボは性交渉後72時間以内の内服という飲み方になりますが、時間とともに避妊率減少が目立ちます。

エラワンも時間とともに下がりますが、下がり幅としてそこまで大きくありません。

副作用については概ね同等になります。

避妊効果については?

エラワンの方が効果が高いというデータが多いです。

過去の研究では、特に性交渉から24時間以内の避妊率はエラワンの方が高いというデータがみられました。

Anna F Glasier et al. Lancet. 2010 Feb 13;375(9714):555-62.より引用

また加えて、性交渉後0-24時間後に内服した場合、0-72時間後に内服した場合、0-120時間後に内服した場合の避妊率を比較した研究で、いずれもエラワンの方が有意に避妊率が高かったというデータもあります(Anna F Glasier et al. Lancet. 2010 Feb 13;375(9714):555-62.)。

副作用について

エラワン(ウリプリスタル酢酸エステル)の副作用

主な副作用として、頭痛(18%)、吐き気(12%)、腹痛(12%)、生理痛(9%)、倦怠感(6%)、めまい(5%)などがあります。通常24時間以内に治まることが多いです。

ノルレボ(レボノルゲストレル)の副作用

主な副作用として消退出血・不正子宮出血(46.2%・13.8%)、頭痛(12.3%)、悪心・吐き気(9.2%)、倦怠感(7.7%)、傾眠(6.2%)、腹痛、めまいなどがあります。副作用の持続時間: 通常24時間〜最大3日程度で治まる。エストロゲン成分が含まれていないため、血栓症のリスクは低いと言われています。

両薬剤とも副作用の種類は類似しているが、発現率に若干の違いがあります。ノルレボは出血関連の副作用が多い傾向です。また副作用の持続時間としてはエラワンの方が短い傾向にあります。

薬の飲み合わせ・注意点

エラワン(ウリプリスタル酢酸エステル)の飲み合わせ

肝臓のCYP3A4で代謝されるため、同酵素に影響する薬剤との相互作用に注意が必要です。

主に併用薬として注意が必要なのは以下の薬などです。

  • 効果が低下する可能性のある併用薬:
    • バルビツール酸系薬剤、カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン
    • セントジョーンズワート、トピラマート、オキシカルバゼピン
    • ボセンタン、フェルバメート、グリセオフルビン
  • エラワンの血中濃度を上昇させる薬剤:
    • ケトコナゾール、イトラコナゾールなどの抗真菌薬

ノルレボ(レボノルゲストレル)の飲み合わせ

ノルレボも肝臓で代謝される薬剤であるので、肝臓で代謝される他の薬との併用に注意が必要です。

  • 効果が低下する可能性のある併用薬:
    • 抗けいれん薬(バルビツール系薬剤、カルバマゼピン、トピラマート、フェニトイン)
    • HIVプロテアーゼ阻害剤
    • 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
    • 抗結核薬(リファンピシンなど)
    • 抗真菌薬(グリセオフルビンなど)
    • セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)

また、両薬剤とも、重篤な肝障害を持つ患者や妊婦への処方はできないことも注意が必要です。

まとめ

エラワンはウリプリスタル酢酸エステルを主成分とする最新のアフターピルで、性交後120時間以内に服用可能であり、時間経過による効果低下が少ないのが特徴です。一方、ノルレボ(レボノルゲストレル)は日本で承認済みの緊急避妊薬で、性交後72時間以内の服用が必要で、時間経過とともに効果が大きく低下します。研究データではエラワンの方が避妊効果が高く、特に排卵期に近い時期での効果が維持されます。副作用の種類は両者で類似していますが、ノルレボは出血関連の副作用が多い傾向があります。両薬剤とも肝臓で代謝されるため、特定の薬剤との併用に注意が必要です。エラワンは日本では未承認ですが、米国FDAでは認可されています。

未承認医薬品等
エラワンは「緊急避妊」に対する処方として海外で承認を受けていますが、国内では未承認薬となります。

入手経路
当院で処方しているエラワンは、厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断の下、海外医薬品取扱代理店を通じて輸入をしたものになります。

国内の承認医薬品等の有無
ウリプリスタール酢酸エステルを一般名とする医薬品であり、上記の通り国内では未承認となります。

諸外国における安全性等に係る情報
同成分は、アメリカ食品医薬品局(FDA)で緊急避妊薬として承認されています。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

未承認医薬品等
ノルレボは「緊急避妊」に対する処方として国内で承認を受けています。ただし、医療保険は適用できません。

入手経路
当院で処方しているノルレボは、国内の製薬会社で製造されたものになり、国内卸より仕入れております。

国内の承認医薬品等の有無
レボノルゲストレルを一般名とする医薬品であり、上記の通り国内で承認を受けています。

諸外国における安全性等に係る情報
同成分は、アメリカ食品医薬品局(FDA)でも緊急避妊薬として承認されています。

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