生理痛や婦人科疾患の治療として使用される低用量ピルですが避妊効果も認められています。
当院では、その中でも特に効果が高いマーベロンを採用しています。
本ページでは、そんなマーベロンについて解説を行っていきます。
1ヶ月分 | 2ヶ月分 | 3ヶ月分 | 6ヶ月分 | |
マーベロン28 | 6,600 円 | 9,900 円 | 12,100 円 | 18,700 円 |
マーベロンとは?
マーベロン(Marvelon)は、エチニルエストラジオール(0.03mg)とデソゲストレル(0.15mg)を主成分とする低用量経口避妊薬(OC)です。世界中で広く使用されている信頼性の高い避妊方法のひとつで、正しく服用すれば99%以上の避妊効果が期待できます。日本でも承認されており、医師の処方により入手することができます。
マーベロンは「第3世代ピル」と呼ばれるグループに属し、副作用の少ない現代的な低用量ピルとして知られています。避妊効果に加えて、月経痛の軽減や生理周期の安定化など、女性の健康に関する様々なメリットがあります。
マーベロンの効果的なメカニズム
マーベロンは主に以下の3つの作用により避妊効果を発揮します:
- 排卵抑制:卵巣からの卵子放出を抑制します。これがマーベロンの主な避妊メカニズムです。
- 頸管粘液の変化:子宮頸部の粘液を粘稠にして精子の通過を困難にします。
- 子宮内膜の菲薄化:万が一受精が起こった場合でも、受精卵が着床しにくい環境を作ります。
これらの複合的な作用により、高い避妊効果を実現しています。
マーベロンの避妊成功率
マーベロンは非常に高い避妊効果を持っています:
- 完全に正しく服用した場合:99.7%(理論上の成功率)
- 一般的な使用状況での成功率:約91%(服用忘れなどの人的要因を含む)
避妊成功率は服用の規則性に大きく依存するため、毎日同じ時間に服用することが重要です。
マーベロンの服用方法
マーベロンの正しい服用方法は以下のとおりです:
- 毎日同じ時間に1錠ずつ服用する
- 21日間連続で服用した後、7日間の休薬期間を設ける
- 休薬期間中に消退出血(生理に似た出血)がある
- 8日目から次のシートを開始する(休薬期間が7日で終了)
初めて服用を開始する場合
- 生理開始日から5日以内に服用を開始すると、初回から避妊効果があります
- それ以外の時期に開始する場合は、7日間は追加の避妊法(コンドームなど)を併用する必要があります
服用を忘れた場合
- 12時間以内に気づいた場合:すぐに忘れた錠剤を服用し、通常通り継続
- 12時間以上経過した場合:避妊効果が低下している可能性があるため、次の7日間はコンドームなどの追加避妊法を併用
マーベロンの副作用について
マーベロンには、他の低用量ピルと同様に副作用が起こる可能性があります。多くの副作用は体が慣れるにつれて(通常3ヶ月以内)軽減・消失します。
主な副作用として以下のものが報告されています:
- 吐き気(10%程度)
- 頭痛(5-10%)
- 不正出血(5-10%)
- 乳房の張り(5-10%)
- 体重増加(2-5%)
- 気分の変化(2-5%)
稀ではありますが、より重篤な副作用として血栓症のリスクがあります。特に以下の症状がある場合は、すぐに医師に相談してください:
- 強い頭痛
- 視覚障害
- 胸痛
- 息切れ
- 下肢の腫れや痛み
以下に該当する方は、マーベロンの服用ができないことにも注意が必要です。
- エストロゲン依存性悪性腫瘍に罹患しているないしは疑いのある方
- 診断の確定していない異常性器出血のある方
- 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患に罹患しているないしはその既往がある方
- 35歳以上で、1日15本以上の喫煙者
- 前兆(閃輝暗点、星型閃光など)を伴う片頭痛のある方
- 肺高血圧症またが心房細動を合併する心臓弁膜症のある方
- 感染性心内膜炎の既往がある心臓弁膜症の方
- 血管病変を伴う糖尿病の方
- 血栓性素因のある方
- 抗リン脂質抗体症候群の方
- 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の方
- 重篤な肝障害のある方
- 肝腫瘤のある方
- 脂質代謝異常のある方
- 高血圧のある方
- 耳硬化症
- 妊娠中に黄疸、持続性掻痒症または妊娠ヘルペスの既往のある方
- 授乳中の方
- 骨成長が終了していない方
また、マーベロンの効果は他の薬剤との併用により低下する可能性があります。特に注意が必要な薬剤は以下の通りです:
- 抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトインなど)
- 抗結核薬(リファンピシンなど)
- HIV治療薬の一部
- セントジョーンズワート(ハーブサプリメント)
- 抗生物質の一部(リファンピシン、グリセオフルビンなど)
これらの薬を服用している場合は、医師に相談し、追加の避妊法の必要性について確認してください。
マーベロンのその他の効果
マーベロンには避妊以外にも多くの健康上のメリットがあります:
- 月経痛の軽減(70-80%の女性で効果あり)
- 月経血量の減少(平均30-50%減少)
- 生理周期の安定化
- ニキビの改善(60-70%の女性で効果あり)
- 子宮内膜症の症状軽減
- 卵巣嚢腫の発生リスク低減(約50%減少)
- 骨盤内炎症性疾患リスクの低減
- 子宮外妊娠リスクの低減
- 鉄欠乏性貧血のリスク低減
注意点とよくある質問
マーベロンは確実に避妊できるの?
マーベロンは正しく服用すれば非常に高い避妊効果がありますが、100%ではありません。最も効果的に使用するためには、毎日同じ時間に服用し、服用忘れがないように注意することが重要です。
マーベロンは体重増加の原因になる?
一部の女性では軽度の体重増加が報告されていますが、これは主に水分貯留によるもので一時的なことが多いです。大規模な研究では、低用量ピルによる有意な体重増加は示されていません。
マーベロンを長期間使用しても大丈夫?
現在の医学的知見では、健康な女性であれば、マーベロンを含む低用量ピルは閉経まで使用することができるとされています。ただし、定期的な健康チェックと医師の診察を受けることが推奨されます。
マーベロンを中止すると妊娠しやすくなる?
マーベロンの服用を中止すると、通常1〜3ヶ月以内に排卵が再開し、妊娠能力は回復します。長期使用による不妊のリスクはありません。
生理中でもマーベロンは服用するの?
21錠タイプのマーベロンは、生理(正確には消退出血)中も休薬期間中も服用しません。28錠タイプ(プラセボ錠を含む)の場合は毎日服用します。
まとめ
マーベロンは、世界中で広く使用されている安全で効果的な低用量経口避妊薬です。正しく服用すれば99%以上の高い避妊効果があり、月経痛の軽減や生理周期の安定化など、女性の健康に関する様々なメリットもあります。
しかし、すべての医薬品と同様に、副作用のリスクや服用できない条件があります。マーベロンの使用を検討している場合は、必ず医師に相談し、自分に適しているかどうかを確認することが重要です。
また、マーベロンはSTD(性感染症)からは保護しないため、必要に応じてコンドームなどの併用も検討してください。
未承認医薬品等
マーベロンは「避妊」に対する処方として国内で承認を受けています。ただし、医療保険は適用できません。
入手経路
当院で処方しているマーベロンは、国内の製薬会社で製造されたものになり、国内卸より仕入れております。
国内の承認医薬品等の有無
デソゲストレル・エチニルエストラジオールを一般名とする医薬品であり、上記の通り国内で承認を受けています。
諸外国における安全性等に係る情報
同成分は、アメリカ食品医薬品局(FDA)でも緊急避妊薬として承認されています。