夜間不眠に応えるために
睡眠薬の概要をご紹介
夜間でも即時配達します

当院では今この瞬間の不眠にお応えすべく、夜間の不眠症治療薬を取り扱っております。

当院ではデエビゴ、マイスリーを採用しております。

本ページでは、睡眠薬の概要をお伝えしていきます。

10回30回
デエビゴ2.5mg4,400 円6,600 円
マイスリー5mg4,400 円6,600 円
※郵送をご希望の場合は、配送料3,850円がかかります。

不眠症治療薬とは

不眠症治療薬は不眠症の治療に用いられる薬剤で、脳内の神経伝達物質に作用して眠気を促すか、自然な睡眠を誘発する機能を持つ医薬品です。日本では5人に1人が不眠症に悩まされていると言われており、適切な睡眠薬の選択と処方は患者のQOL向上に大きく貢献します。

不眠症治療薬は大きく分けて以下の2つの作用機序に分類できます:

  1. 脳の働きを抑制する薬:大脳辺縁系や脳幹網様体などの神経活動を抑制し、「疲れきって眠ってしまう」状態に近い形で眠気を促す
  2. 自然な眠りを促進する薬:体内の睡眠・覚醒リズムに関わるホルモンや神経伝達物質に作用し、自然な眠気を強める

これらは作用機序によってさらに細かく分類され、各薬剤には独自の特徴、メリット、デメリットがあります。

不眠症治療薬の主な種類と作用機序

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は従来から広く使用されてきた不眠症治療薬で、GABA(γ-アミノ酪酸)受容体に作用して脳の興奮を抑制します。

作用機序:

  • GABA-A受容体に結合し、抑制性神経伝達物質であるGABAの作用を増強
  • 大脳辺縁系や脳幹網様体などの神経活動を抑制
  • 催眠作用、抗不安作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用を示す

代表的な薬剤:

  • 超短時間型:ハルシオン(トリアゾラム)
  • 短時間型:レンドルミン(ブロチゾラム)、デパス(エチゾラム)
  • 中間型:サイレース(フルニトラゼパム)
  • 長時間型:ドラール(クアゼパム)

メリット:

  • 効果が確実
  • 即効性がある
  • 幅広い不眠症状に対応できる

デメリット:

  • 耐性が生じやすい(効果が徐々に弱まる)
  • 依存性がある
  • 筋弛緩作用による転倒リスク
  • 持ち越し効果(翌日の眠気)
  • 記憶障害(健忘)のリスク

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

非ベンゾジアゼピン系薬は、ベンゾジアゼピン系と同じくGABA受容体に作用しますが、より選択的に睡眠作用を発揮し、副作用が比較的少ないとされています。

作用機序:

  • ベンゾジアゼピン受容体のサブタイプに選択的に結合
  • 主に催眠作用を示し、抗不安作用や筋弛緩作用は比較的弱い

代表的な薬剤:

  • マイスリー(ゾルピデム)
  • ルネスタ(エスゾピクロン)
  • アモバン(ゾピクロン)

メリット:

  • ベンゾジアゼピン系に比べて依存性が低い
  • 筋弛緩作用が弱く転倒リスクが比較的低い
  • 即効性がある
  • 自然な眠りに近い

デメリット:

  • 健忘のリスクがある
  • 超短時間型が多く、中途覚醒には効果が限定的
  • 長期使用で依存のリスクは残る

メラトニン受容体作動薬

メラトニン受容体作動薬は、自然な睡眠・覚醒リズムを調整するホルモン「メラトニン」の働きを強化します。

作用機序:

  • メラトニン受容体(MT1/MT2)に作用
  • 体内時計のリズムを調整し、睡眠・覚醒サイクルを正常化
  • 夜間のメラトニン分泌を促進

代表的な薬剤:

  • ロゼレム(ラメルテオン)
  • メラトベル

メリット:

  • 依存性がほとんどない
  • 筋弛緩作用がなく転倒リスクが少ない
  • 認知機能への影響が少ない
  • 長期使用が可能

デメリット:

  • 効果の発現までに時間がかかる場合がある
  • 効果に個人差が大きい
  • 入眠障害にはやや効果が弱い

オレキシン受容体拮抗薬

オレキシン受容体拮抗薬は、最も新しいタイプの不眠症治療薬で、脳内で覚醒状態を維持する神経ペプチド「オレキシン」の働きを抑制します。

作用機序:

  • オレキシン受容体(OX1R/OX2R)に結合し、オレキシンの作用を阻害
  • 覚醒状態から睡眠状態への移行を促進
  • レム睡眠とノンレム睡眠のバランスを調整

代表的な薬剤:

  • デエビゴ(レンボレキサント)
  • ベルソムラ(スボレキサント)

メリット:

  • 依存性が極めて低い
  • 筋弛緩作用が少なく転倒リスクが低い
  • 認知機能への影響が少ない
  • 呼吸抑制が少ない
  • 入眠障害と中途覚醒の両方に効果

デメリット:

  • 効果発現に個人差がある
  • 一部の人では効果が弱いと感じることがある
  • 翌日の眠気が残ることがある(特にベルソムラ)

作用時間による睡眠薬の分類

睡眠薬は作用時間によって以下の4つのタイプに分類されます:

1. 超短時間型

  • 効果のピーク:1時間未満
  • 作用時間:2〜4時間
  • 代表薬:ハルシオン、マイスリー、アモバン、ルネスタ
  • 特徴:入眠障害に適している、健忘に注意

2. 短時間型

  • 効果のピーク:1〜3時間
  • 作用時間:6〜10時間
  • 代表薬:デパス、レンドルミン、リスミー
  • 特徴:入眠障害と中途覚醒に適している

3. 中間型

  • 効果のピーク:1〜3時間
  • 作用時間:20〜24時間
  • 代表薬:サイレース、ベンザリン、デエビゴ、ベルソムラ
  • 特徴:入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒に適している

4. 長時間型

  • 効果のピーク:3〜5時間
  • 作用時間:24時間以上
  • 代表薬:ドラール
  • 特徴:早朝覚醒に適している、持ち越し効果に注意

不眠症の症状(入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒)に合わせて、適切な作用時間の睡眠薬を選択することが重要です。

患者タイプ別おすすめ睡眠薬

1. 寝つきが悪い(入眠障害)患者

おすすめ薬剤:

  • マイスリー(ゾルピデム)
  • ルネスタ(エスゾピクロン)
  • デエビゴ(レンボレキサント)

選択理由:

  • マイスリーは即効性があり、入眠を促進
  • ルネスタはマイスリーより作用時間がやや長く、中途覚醒にも効果がある
  • デエビゴは依存性が低く、入眠障害に効果的

2. 夜中に目が覚める(中途覚醒)患者

おすすめ薬剤:

  • デエビゴ(レンボレキサント)
  • ベルソムラ(スボレキサント)
  • レンドルミン(ブロチゾラム)

選択理由:

  • デエビゴは中途覚醒の減少に効果的
  • ベルソムラは作用時間が長く、睡眠維持に効果がある
  • レンドルミンは短時間型だが、睡眠維持にも一定の効果

3. 朝早く目が覚める(早朝覚醒)患者

おすすめ薬剤:

  • ドラール(クアゼパム)
  • ベルソムラ(スボレキサント)
  • デエビゴ(レンボレキサント)

選択理由:

  • ドラールは長時間型で早朝覚醒に効果的
  • ベルソムラとデエビゴは作用時間が適度に長く、早朝覚醒の改善も期待できる

4. 依存や副作用が心配な患者

おすすめ薬剤:

  • ロゼレム(ラメルテオン)
  • デエビゴ(レンボレキサント)
  • ベルソムラ(スボレキサント)

選択理由:

  • ロゼレムは依存性がほとんどなく長期使用が可能
  • デエビゴとベルソムラは依存性が低く、筋弛緩作用も少ない

5. 高齢者

おすすめ薬剤:

  • ロゼレム(ラメルテオン)
  • デエビゴ(レンボレキサント)低用量
  • マイスリー(ゾルピデム)低用量

選択理由:

  • 筋弛緩作用が少なく転倒リスクが低い
  • 認知機能への影響が少ない
  • 高齢者でも安全に使用できる

睡眠薬使用における注意点

耐性と依存性

ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、長期服用により以下のリスクがあります:

  • 耐性:薬に脳が慣れ、同じ量では効果が弱まる現象
  • 依存性:身体的・精神的に薬に依存し、中止が困難になる状態
  • 離脱症状:急な中止により不眠が悪化、不安、震え、発汗などが生じる

対策:

  • 可能な限り短期間の使用を心がける
  • 最小有効量を処方する
  • 定期的に薬の効果を評価し、必要に応じて変更を検討
  • 中止する場合は徐々に減量する

副作用

睡眠薬の主な副作用は:

  • 持ち越し効果:薬の効果が翌日まで残り、日中の眠気や集中力低下を引き起こす
  • 筋弛緩作用:特にベンゾジアゼピン系で強く、転倒や骨折のリスクが高まる
  • 健忘:服用後の行動や会話が記憶に残らない
  • 睡眠随伴症状:夢遊症状、睡眠時異常行動など

対策:

  • 個々の患者の状態に合わせた薬剤選択
  • 低用量から開始し、効果と副作用のバランスを評価
  • 高齢者には特に注意して処方

薬物相互作用

睡眠薬は他の薬剤やアルコールとの相互作用に注意が必要です:

  • アルコールとの併用で中枢抑制作用が増強
  • 他の中枢神経抑制薬との併用にも注意
  • CYP3A4で代謝される薬剤(特にデエビゴ)は、阻害薬や誘導薬との併用に注意

対策:

  • 処方前に患者の併用薬を確認
  • アルコールとの併用を避けるよう指導
  • 薬物相互作用が懸念される場合は代替薬を検討

睡眠薬処方のベストプラクティス

1. 不眠症の正確な評価

  • 入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒などの症状を詳細に評価
  • 基礎疾患や併用薬が不眠に与える影響を考慮
  • 睡眠日誌の活用を検討

2. 非薬物療法の併用

  • 睡眠衛生指導(規則正しい睡眠習慣、寝室環境の整備など)
  • 認知行動療法
  • リラクゼーション技法

3. 適切な薬剤選択

  • 症状に合わせた作用時間の薬剤を選択
  • 年齢や合併症を考慮した処方
  • まずは低用量から開始

4. 定期的な評価と調整

  • 効果と副作用を定期的に評価
  • 必要に応じて薬剤を変更または減量
  • 長期使用の必要性を定期的に再評価

5. 減薬・中止計画

  • 長期使用が必要ない場合は計画的な減量を検討
  • 徐々に減量し、反跳性不眠に注意
  • 非薬物療法を強化しながら薬剤を減らす

まとめ:睡眠薬選択のポイント

  1. 症状に合わせた選択:
    • 入眠障害→超短時間型
    • 中途覚醒→短時間〜中間型
    • 早朝覚醒→中間〜長時間型
  2. 安全性を重視:
    • 高齢者には筋弛緩作用の少ない薬剤を選択
    • 依存リスクの低い薬剤を優先
    • 副作用プロファイルを考慮
  3. 個別化医療:
    • 患者の年齢、併存疾患、併用薬を考慮
    • 過去の睡眠薬の反応性を参考に
    • 患者の希望や生活スタイルも重要
  4. 新旧バランス:
    • 新しい薬剤(オレキシン受容体拮抗薬など)は依存性が低く安全性が高い傾向
    • 従来の薬剤は効果の予測性が高く、コスト面でも利点
    • 両者のメリット・デメリットを理解した上で選択

適切な睡眠薬の選択と使用により、患者の睡眠の質を改善し、QOLの向上につなげることが重要です。不眠症治療は薬物療法だけでなく、生活習慣の改善や非薬物療法との併用が理想的なアプローチです。

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