マイスリーは非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬です。不眠症の治療のために処方され、従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬と比較して筋弛緩作用が弱いという特徴があります。
一般名はゾルピデム酒石酸塩で、マイスリー錠5mgとマイスリー錠10mgの2種類が販売されています。
10回 | 30回 | |
マイスリー5mg | 4,400 円 | 6,600 円 |
効果と特徴
マイスリーの主な特徴は、効果の発現が早く、作用時間が短いことです。そのため、翌日に眠気が残りにくい睡眠薬として知られています。特に寝つきの悪さ(入眠障害)に対して効果を発揮します。
服用後約30分〜1時間程度で効果が現れ、作用時間は2〜4時間程度と短いため、超短時間型の睡眠薬に分類されています。
入眠を促進する効果が高く、状況によっては中途覚醒や早朝覚醒の抑制にも効果を示すことがあります。
作用メカニズム
ゾルピデム酒石酸塩は、脳内のGABA受容体のうち、特にω1(BZD1)受容体に選択的に作用します。これにより脳の興奮を抑え、自然な眠りに近い状態を誘導します。
用法・用量
通常、成人には1回5〜10mgを就寝直前に服用します。高齢者は5mgから開始することが推奨されています。最大用量は1日10mgとされており、錠剤には割線があるため必要に応じて半分に割ることも可能です。
副作用
主な副作用
一般的な副作用としては、眠気、頭痛、ふらつき、倦怠感、吐き気、口の渇きなどが報告されています。
重大な副作用
重大な副作用としては、長期使用による依存性や離脱症状(不眠の悪化、いらいら感など)、精神症状(せん妄、錯乱、幻覚など)、一過性の記憶障害、もうろう状態、睡眠時の異常行動(夢遊症状など)が報告されています。
注意事項
長期間の使用により薬物依存が生じる可能性があるため、継続使用については医師との相談が必要です。処方された用法・用量を必ず守り、自己判断での増量は避けるべきです。
服用後8時間は自動車の運転など危険を伴う機械の操作を控えてください。また、アルコールとの併用は避けるべきです。薬の効果が強まったり、依存形成のリスクが高まる可能性があります。
特徴的な注意点
服用後にもうろう状態や睡眠随伴症状(夢遊症状など)が現れることがあります。また、薬を飲んでから眠るまでの間や、夜中に目が覚めた時の出来事を覚えていないことがあるので注意が必要です。
作用時間が短く効果が実感しやすいため、依存性のリスクがありますが、ベンゾジアゼピン系と比較すると依存性は比較的低いとされています。
医師の見解
効果の速さと短時間作用という特性から、臨床現場では使用頻度が高い睡眠薬です。ただし、近年では特に高齢者に対して転倒リスクの少ない新しいタイプの睡眠薬(デエビゴなど)の処方も増えてきています。
まとめ
マイスリー(ゾルピデム酒石酸塩)は入眠障害に効果的な超短時間型睡眠薬です。効果発現が早く持続時間が短いという特徴があり、適切に使用すれば翌日への影響が少ない睡眠薬といえます。ただし、依存性や睡眠随伴症状といった副作用にも注意が必要で、医師の指示に従った正しい使用が重要です。
未承認医薬品等
デエビゴは「不眠症」に対する処方として国内で承認を受けています。
入手経路
当院で処方しているデエビゴは、国内の製薬会社で製造されたものになり、国内卸より仕入れております。
国内の承認医薬品等の有無
レンボレサセントを一般名とする医薬品であり、上記の通り国内で承認を受けています。
諸外国における安全性等に係る情報
同成分は、アメリカ食品医薬品局(FDA)で不眠症薬として承認されています。