「マンジャロを使っているのに痩せない」「高い費用を払っているのに効果を感じられない」そんな不安を抱えていませんか?効かないと感じる理由は体質だけでなく、使用方法やタイミング、期待値の設定などに原因がある場合も少なくありません。
本記事ではマンジャロが効かない原因と対処方法、治療を続けるか切り替えるかの判断軸、効果を正しく得るためのポイントを解説します。正しい知識を身につけ、ぜひ納得のいく選択へとつなげてください。
マンジャロの作用メカニズムと効果

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、GIP/GLP-1受容体作動薬の一つで、日本では2型糖尿病治療薬として承認されている薬です(※1)。体内で分泌されるホルモンに似た働きをすることで、体重減少をサポートします。
まずはマンジャロがどのように作用し、どのような効果が期待できるのかを解説します。
作用メカニズム
マンジャロは、GIPとGLP-1という2つのホルモン受容体に同時に作用する薬です(※2)。胃の内容物が腸へ送られるスピードを遅らせることで、食後の満腹感が長く続きます。また脳の視床下部に働きかけることで食欲中枢を刺激し、食欲を抑える作用があります。
このほか、インスリン分泌を適切に促すことで血糖値の急上昇を防ぎ、脂質代謝を改善して肥満にともなう慢性的な炎症を抑える効果も持っています。(※3)(※4)(※5)
期待できる効果
マンジャロには上述した作用メカニズムから、持続的な『食欲の抑制効果』があります。「食べたい気持ちが自然に減った」「間食への欲求がなくなった」と実感することもあるようです。
また、2型糖尿病治療薬として開発された背景から『血糖コントロールの改善効果』もあり、臨床試験ではHbA1c値の低下が報告されています(※6)。
脂肪燃焼や代謝改善にも働きかけるため、内臓脂肪の減少や脂質異常症の改善が報告されることもあります(個人差があります)。
マンジャロの効果が現れるまでの期間
マンジャロは、注射してすぐに大きな変化が起こる薬ではありません。体内でホルモンバランスが整い、代謝システムが改善されることで、段階的に効果が現れていきます。
ここでは、一般的な効果の現れ方を時系列で解説します。ただしあくまで目安であり、期間や効果の出方には個人差があることをご理解ください。
1~2週間|食欲などに変化が現れる
マンジャロを使い始めて最初の1~2週間で、食欲や食事に関する変化を感じ始めるのが一般的です。
「以前より少ない量で満足できる」「揚げ物やこってりした料理が欲しくなくなった」「無意識に間食していた習慣がなくなった」といった変化が典型的でしょう。
この段階では体重の大幅な減少はまだ見られませんが、中には減量を経験する方もいます。食生活への意識が自然と変わり始める重要な時期です。
1カ月|徐々に体重減少が始まる
使用開始から1カ月が経つと、体重計の数字にも変化が現れ始めるのが一般的です。
「ウエスト周りが少し軽くなった」「階段を上っても息切れしにくくなった」といった体感的な変化を感じる方もいるかもしれません。
ただし、まだ吐き気や倦怠感といった副作用が出やすい時期でもあります。一度に大量に食べると気持ち悪くなりやすいため、少量ずつゆっくり食べる工夫が大切です。焦らず体を薬に慣らしていく期間と考えてください。
3カ月|安定した効果が実感しやすい
3カ月継続すると、効果を実感できるようになるのが一般的です。
「服のサイズが合わなくなった」「健康診断で血圧や中性脂肪の数値が改善した(※並行して生活習慣の改善にも取り組んだ場合)」といった客観的な変化が見られる可能性があります。
体が軽くなったり睡眠の質が向上したりなど、生活の質(QOL)の向上を実感しやすい段階で、かつ副作用も落ち着いてくる時期です。
6カ月~|投与開始当初からの体重減少
6カ月以上継続すると、開始時と比較して体重減少を達成している方も増えてくるのではないでしょうか。実際、臨床試験でも平均15~20%の体重減少が報告されています(※7)。
マンジャロの特徴は、急激なダイエットとは異なり、体の代謝システム自体が改善されているため、治療を適切に続けることで減量効果を維持しやすくなる点です。
長期的な健康改善を目指す上でも、継続的な使用がポイントになってきます。
効果に個人差がある理由
マンジャロの効果に個人差がある理由はさまざまです。
まず投与開始時のBMIや肥満度が高い方ほど、減量効果が現れやすいという傾向があります。また、食事管理や適度な運動を並行している方は、薬の効果をより早く実感しやすくなるでしょう。
このほか投与量の調整も重要で、2.5mgから5mg、さらに高用量へと段階的に増やすことで効果が変わってきます。こうした個人差を理解した上で、自分に合ったペースで治療を続けることが大切です。
マンジャロが「効かない」と感じる方が増えている?

SNSや広告では「マンジャロで劇的に痩せた」などの成功体験が共有されています。しかし実際に使い始めてみると、同じような結果が得られないという方も少なくありません。
その結果「期待していたほど体重が減らない」「自分だけが効いていないのではないか」という不安や焦りを感じる方が増えていると考えられます。
この背景には、情報の偏りや期待値とのギャップが大きく影響している可能性が考えられるのではないでしょうか。
特に、SNSは成功事例が拡散されやすく(劇的な変化ばかりが目立ちやすく)なっています。そうした情報を見ることで、無意識のうちに「自分も同じように痩せるはず」という期待値が高まります。
しかし、上述のように効果の出方には個人差があり、初期段階では緩やかな変化しか感じられないことも珍しくありません。他人の成功と自分の現状を比較してしまい「自分だけが効かない」という誤解や孤独感を抱いてしまうのです。
マンジャロが効かない・痩せない主な原因と対処方法

マンジャロを使用しているのに期待した効果が得られないと感じる場合、体質ではなく、使用方法や期間、生活習慣などの要素に原因があるかもしれません。
マンジャロが効かないと感じる原因や対処方法を解説します。現状を分析し次の一手へとつなげましょう。
開始用量2.5mgは「体を慣らす期間」
マンジャロの開始用量である2.5mg(※1)は、体を薬に慣らし、副作用をできる限り抑えながら治療を進めるための最初のステップです。
そのため、2.5mgの段階で大きな体重減少が見られなくても、治療設計通りの経過と考えてください(中には、この期間に体重減少を実感する方もいます)。
また自己判断で増量することも控えてください。体質などにより重篤な副作用を引き起こすリスクがあるため、増量については必ず主治医の指示に従いましょう。
使用期間がまだ短い
マンジャロは、体内でホルモンバランスを調整し、代謝システムを改善することで効果を発揮する薬です。このプロセスには時間がかかり、個人の体質によって反応速度も異なります。
また長年の肥満などで代謝が低下している方は、効果が現れるまでに時間を要することがあります。食欲減退の実感がなくても、体内では血糖値の安定化やホルモン調整が段階的に進んでいるため、焦らず続けることが大切です。
食欲は減っていても体重に反映されていない
「以前より食べる量が減った」「間食をしなくなった」という変化を感じているのに、体重計の数字が動かないケースがあります。これは、体重だけでは効果を正確に測れない複数の要因が存在するためと考えられます。
たとえば、むくみや便通の変化、筋肉量のわずかな増加などが体重を相殺している可能性があります。また食事量は減っても、無意識に高カロリーな食品や糖質の多い食品に偏っていることも考えられるでしょう。
体組成計を使い、体重だけでなく体脂肪率や内臓脂肪レベルを測定すると、実際には体質改善が進んでいることが分かる場合があります。このように多角的に効果を評価する視点も大切です。
体が薬に慣れ始めている(停滞期)
マンジャロを継続使用していると、初期に感じた食欲減退効果が薄れたように感じることがありますが、自然な適応反応であり異常ではありません(※8)。
体が薬の作用に慣れることで、以前ほど劇的な変化を感じにくくなっているのです。ただし停滞期が長く続く場合は、主治医と相談して体の状態に合わせた治療を検討してください。
また停滞期を乗り越えるための対策として、タンパク質を増やして筋肉量を維持する、睡眠やストレス管理を徹底するといったことも大切です。
生活習慣が「薬任せ」になっている
マンジャロだけに頼っていると、効果を十分に引き出せないことがあります。並行して食事内容や活動量の見直し・改善をしていきましょう。
特に、食欲減退がそこまで強くない時期に高カロリーな食事を続けると、結果的に薬の効果が相殺されてしまう可能性があります。
またタンパク質不足による代謝低下や、水分不足による便秘も体重減少を妨げる要因です。軽度な運動(散歩程度の活動)を組み合わせるなどして、薬の効果をしっかり引き出しましょう。
このほか睡眠不足や慢性的なストレスも、ホルモンバランスを乱し効果が出にくくなると考えられます。基礎疾患が影響することもあるため、総合的な生活習慣の見直しが大変重要になってきます。
「自分はマンジャロが効かない体質?」と不安な方へ
「マンジャロが効かないのは自分の体質のせいではないか」と不安を感じている方もいるかもしれません。
しかし、効果が感じられない原因の多くは体質ではなく、用量やタイミング、生活習慣といった『調整可能な要素』にあります。そのため自己否定に陥る必要はありません。
「自分は意志が弱い」「自分だけが異常」と考えてしまいがちですが、マンジャロの効果が現れるまでには個人差があり、初期段階で変化を感じにくいことはよくあります。
SNSで見かける劇的な成功例は使用者の一部であり、すべての方が同じペースで効果を実感するわけではありません。決して孤独ではないため、焦らず主治医と相談しながら、自分に合うペースを見つけていくことが大切です。
マンジャロを増量する判断軸とタイミング

増量は、より高いマンジャロの効果を得るためのステップですが、タイミングや増量後に起こる効果・注意点などを正しく理解しておくことが大切です。
2.5mgから5mgへの増量を検討するタイミング
●2.5mgを4週間以上継続しているが、食欲減退を実感できない
●体重が完全に停滞し、体脂肪率も変化しない状態が続いている
●副作用(が落ち着き、体が薬に慣れてきたと感じられる など
こうした条件に複数当てはまる方は、主治医に増量の相談をしてみても良いかもしれません。現在の用量では十分な効果が得られていない可能性があるためです。
5mg以上で期待できる効果と注意すべき副作用
用量を5mg以上に増やすことで、停滞していた体重が動き出す可能性があります。食欲の抑制効果をより実感でき、体重減少のペースも加速するという方もいるでしょう。
ただし増量したタイミングで吐き気、めまい、倦怠感などの副作用が再燃したり、以前より強く現れたりすることがあります。
主治医の判断なく独断で増量することは、重篤な副作用を引き起こすリスクがあるため大変危険です。必ず主治医の指導のもとで、段階的に用量を調整していってください。
▼マンジャロの副作用については、こちらでも詳しく解説しています。
マンジャロの副作用|症状別タイムラインと危険サインの見分け方
マンジャロの副作用は強いのに痩せないときの考え方
マンジャロを継続的に使用しており、副作用が強く出ているにもかかわらず体重減少が見られない場合「この辛さに意味があるのか」と疑問を抱くかもしれません。
苦痛に見合う効果が得られていないと感じるときは、一人で悩まず主治医に相談しましょう。
日常生活に支障をきたす場合は迷わず主治医に相談を
吐き気や倦怠感といった辛い副作用に対し、実際に体重が減少しているのであれば、その副作用をうまくコントロールする方法がないか主治医に相談してみましょう。
しかし、体重が減らないのに日常生活に支障をきたすほどの副作用が続いているなら、使用方法や食習慣、隠れた疾患など何らかの原因を疑う必要があります。
生活の質(QOL)を著しく損なう治療は、長期的持続が極めて難しく最適解とは言い切れません。主治医に現状を正直に伝え、用量の調整や一時中断など何らかの指示を仰ぎましょう。
▼当クリニックでは胃腸症状で悩む方に、サポート薬をご用意いたしております。
マンジャロ・リベルサスの胃腸症状に効く 各種サポート薬取り扱い開始 吐き気どめ、便秘薬など
納得感のある選択をすることが大切
副作用が生活に支障をきたしている場合、リベルサスやオゼンピックといった他の薬剤への切り替えも選択肢となる可能性があります。
それぞれの薬には特性があり、マンジャロで副作用が強く出る方でも、他の薬ならそこまでひどい副作用が現れないことがあります。
治療を中断することは「失敗」ではなく、より良い方法を探すための建設的な意思決定と考え、主治医と十分に相談しながら納得感のある選択をしてください。
マンジャロを続けるか切り替え・中止するかの判断基準
マンジャロを続けるべきか他の選択肢を検討すべきかで迷ったときは、費用、体調、効果のバランスなどを多角的かつ客観的に整理し、納得できる決断をすることが大切です。
ここでは、治療を継続してもよいと思われるケース、切り替えを検討したほうがよいと思われるケースを解説します。
※以下の「ケース」はあくまで一例です。続ける・切り替える・中止するといった判断は最終的には患者さんが行いますが、必ず主治医とよく相談しながら決めることが大切です。
継続してもよいケースの例
●用量調整前の2.5mg段階で、増量することで改善できる可能性がある
●体重以外の改善兆候が見られる(食欲がわずかに減った、血糖値が改善した等)
●副作用が許容範囲内であり、QOLへの影響が限定的である など
こうした方は、もう少し経過を見守ってもよいかもしれません。もちろん主治医と相談した上で判断することになりますが、焦らず段階的に効果を評価していきましょう。
切り替え・中止も選択肢となるケースの例
●副作用が重篤で、日常生活に深刻な支障をきたしている
●経済的負担に見合う効果が得られず、精神的ストレスが限界に達している など
こうした方は、主治医に他の治療の選択肢を相談してみてもよい段階です。我慢して無理に続けるのではなく、自分の心身の健康を最優先に考え、主治医と相談しながら最善の選択をしてください。
マンジャロの効果を正しく得るための生活習慣の工夫

マンジャロの効果を引き出すには、薬の力だけでなく日常生活の小さな工夫も重要です。食事や運動といった基本的な習慣を見直しましょう。ここでは、無理なく取り入れられる実践的な方法を紹介します。
食事量ではなく「食事内容」を見直す
食べる量が減ったのに体重が減らない場合、無意識に高カロリーな食品や糖質中心の食事になっている可能性があります。低GI食品の玄米、全粒粉パン、豆類などを選ぶと血糖値の急上昇が抑えられ、満腹感が持続しやすくなります。
また、タンパク質の摂取量を確保することも重要です。1日に体重1kgあたり1.2~1.5gのタンパク質を目安に摂取(※9)すると、筋肉量を維持しながら代謝を保ちましょう。
水分摂取も忘れず、1日1.5~2Lを目安に水を飲んで便秘解消や満腹感をサポート(※10)してください。
栄養素や水分の適切な摂取量については個人差があります。上記は一般的な例になりますので、主治医や管理栄養士といった専門家に相談の上、どの栄養素をどれくらい摂取するかといった目標を設定してください。
軽い運動で活動量を増やす
日常の動きを少し増やすだけでも体の反応が変わります。無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。
たとえば1日トータル30分程度の散歩や、エレベーターではなく階段を使うといった「NEAT(非運動性活動熱産生)」を向上させると効果的です。
一方、過度な運動はマンジャロによる倦怠感などを悪化させることがあるため注意が必要です。
ストレッチやヨガといった、自律神経を整える軽度な活動を取り入れ、体調を整えながら代謝を促しましょう。
当クリニックでは医師の診断のもと「患者さま一人ひとりに合った」治療プランを提案
マンジャロが効かないと感じたときは、遠慮なく主治医に相談しましょう。効かない原因は体質ではなく、用量やタイミング、生活習慣といった調整できる要素かもしれません。
また増量、継続、切り替え、中止など自分に合った選択をするためにも、主治医とのコミュニケーションはたいへん重要です。
「マンジャロが効かない」と感じている方は、どうぞ診察時に遠慮なくご相談ください。当クリニックでは医師によるオンラインサポートが充実しており、患者さま一人ひとりの状況に合わせた治療プランをご提案しております。
●現在の用量と使用期間
●副作用の症状と程度
●食事・運動習慣(現状)
●体重以外の変化(食欲、体調、血糖値など)
相談時にこうした情報を共有していただくことで、より適切な治療方針を一緒に考えていくことができます。一人で悩まず、専門家のサポートを受けながら納得できる治療を続けていきましょう。
(注釈・参考文献)
※1:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00070640
※2:https://medical.lilly.com/jp/mounjaro
※3:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK585056/
※4:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11704219/
※5:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41032183/
※6:https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)01324-6/abstract
※7:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2206038
※8:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10087310/
※9:https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2836527
※10:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9684123/





