マンジャロで目標の体重を達成したものの「やめたらリバウンドするのでは」という不安を抱えていませんか。高額な投資が水泡に帰すことへの不安、食欲が戻ってきたときの対処への不安は、多くの方が経験する悩みです。
この記事では、SURMOUNT-4試験など臨床データに基づくリバウンドの確率と時期、4~8週間かけた段階的な卒業戦略、食事・運動・心理面での具体的なリバウンド防止法を詳しく解説します。最終的には薬に頼らず、自力で体重を維持できる自信を手に入れましょう。
マンジャロを止めるとリバウンドする?臨床データで見る確率と時期

マンジャロを中止したあとのリバウンドは、必ずしも起こるわけではありません。たとえば「SURMOUNT-4試験」では、マンジャロで減量達成後に中止したグループは、治療を継続したグループと比較して体重の一部が増加する傾向が見られました。(※1)
しかし個人差が大きく、適切な生活習慣の維持により体重を安定させることも可能です。リバウンドの確率や時期は、中止したときの体重維持期間や食事・運動習慣、代謝状態などによっても変わります。
マンジャロを止めたあとに見られる体重変化のパターン
マンジャロを中止したあとの体重変化には、以下のようなパターンがあります。
1.ほぼ変わらない(安定型)
中止後も食事管理と運動習慣を継続し、体重がほとんど増加しないパターンです。
治療期間中に生活習慣の改善に成功した方に多く見られます。
2.徐々に増える(緩やかな増加型)
中止後、数週間から数ヶ月かけて緩やかに体重が増加するパターンです。
食欲が徐々に戻り、摂取カロリーが増える傾向があります。
3.短期間で戻る(急速増加型)
中止後、比較的早い段階で食欲が戻り、短期間で体重が増加するパターンです。
薬の食欲抑制効果への依存度が高かった場合に見られます。
このように必ずしもリバウンドするわけではなく、むしろ中止後の生活習慣が体重変化の鍵を握るといえるでしょう。
臨床データから見る「リバウンドする確率と時期」
「SURMOUNT-4試験」では、マンジャロ15mgで36週間治療を受け、平均20.9%の体重減少を達成した患者を対象に、その後の経過が追跡されました。
治療を中止したグループでは、52週間後に平均で減少体重の約半分が戻る結果となった一方、治療を継続したグループは、さらに5.5%の追加減少が見られたという結果が報告されています。(※1)
ただし試験結果はあくまで平均値であり、対象・条件・個人の生活習慣や体質などによって大きく異なります。
体脂肪率・筋肉量などの指標も重要
単に体重の数値だけを見るのではなく、体脂肪率・筋肉量・ウエスト周囲径といった複数の指標を総合的に見ることが大切です。
マンジャロによる減量では、脂肪だけでなく筋肉も減少する可能性があるため、中止後のリバウンドで増えるのが脂肪中心になると、同じ体重でも体組成が悪化するおそれがあります。(※2)(※3)
筋肉量を維持・増加させることで基礎代謝が保たれ、リバウンドしにくい身体づくりが可能になります。体重計だけでなく体組成計を活用し、多角的に健康状態を管理しましょう。(※4)
マンジャロを止めたあとにリバウンドする原因

マンジャロを止めたあとのリバウンドの原因として、大きく分けて「食欲が戻る」「基礎代謝の低下」「心理的要因」が考えられます。
食欲が戻る
マンジャロを中止すると、GLP-1受容体への刺激がなくなり、食欲を抑える効果が失われます。この結果、脳の食欲中枢が再び活性化し、治療前と同等あるいはそれ以上の空腹感を覚えるようになります。(※5)
基礎代謝が低下する
減量中に筋肉量が低下していた場合、基礎代謝が減少しており、同じ食事量でも太りやすい状態になっています(※6)。マンジャロ中止後もその状態のままだと、食欲が回復したことに起因してよりリバウンドしやすい状態になっているといえます。
心理的な要因も
「薬をやめた不安」や「我慢からの解放感」が、過食につながるケースも少なくありません。ストレスを感じると「コルチゾール」という食欲を増進させるホルモンが分泌されます。ストレス食いにつながり、リバウンドを招く要因となります。(※7)
リバウンドしやすい人・しづらい人の特徴
| リバウンドしやすい人の傾向 | リバウンドしづらい人の傾向 |
|---|---|
| 減量中に運動習慣を取り入れていない | タンパク質を意識した食事をしていた |
| 食事管理を薬に完全依存していた | 睡眠時間やストレス管理に配慮していた |
| 過去に何度もダイエットと リバウンドを繰り返している | 減量期間中に筋トレや 有酸素運動を継続していた |
あくまで傾向ですが、それぞれこうした特徴が見られます。重要なのは、薬の効果だけに頼らず、自分自身の生活習慣を改善できているかどうかです。リバウンドの危険度は、生活パターンによって以下の3タイプに分類できます。
タイプA:繰り返し増減型
過去のダイエット歴で何度もリバウンドを経験しており「自分は意志が弱い」という自己否定感が強い傾向があります。心理的空腹(実際には空腹でないのに食べたくなる)に弱く、ストレス食いに走りやすい特徴があります。
対処方法として「身体的空腹」と「心理的空腹」の判断基準を覚えましょう。たとえば、食べたくなったら「今リンゴを食べられるか?」と自問し、NOなら心理的空腹と判断して水を飲む、別の場所へ移動するなどの行動で対処できます。
タイプB:不規則生活型
睡眠不足や欠食が多く、血糖値の乱高下によって衝動食いのリスクが上昇してしまうタイプです。夜型生活や食事時間が不規則な方に多く見られます。
対処方法として朝食を必ず摂り、就寝時間を一定にすることに集中します。なお、朝食に十分なタンパク質を摂ることで食欲が抑制され、1日の総摂取カロリーが減少するという研究結果もあります。(※8)
タイプC:ストレス過多型
仕事や人間関係のストレスが高く、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌増加により内臓脂肪が蓄積しやすい状態になっているタイプです。ストレス解消を食事に頼る傾向があります。
対処方法として維持期の運動が鍵となります。週2~3回、1回10~20分の筋トレで十分な効果が得られます。運動はストレス解消にもなり、コルチゾール値を下げる効果があります。
マンジャロ終了後のリバウンドを防ぐための戦略

リバウンドを防ぐには、マンジャロの投与期間中からこれらを意識しておくことが大切です。
投与間隔や投与量を段階的に調整する
急に中止するのではなく、数週間や数ヶ月かけて段階的に投与間隔を延長する方法があります。一例ですが、週1回から10日に1回に、さらに2週間に1回になどと徐々に投与間隔を空けていくことで、身体を「薬なしの状態」に慣らしていきます。
この期間中に食欲が戻ってきた場合は、間食のタイミングを見直しましょう。空腹を感じる前に、計画的に軽食(ナッツ、ゆで卵、ヨーグルトなど)を摂るのが効果的です。
太りにくい食生活や食べ方を身につける
朝食に十分なタンパク質を摂ると、食欲が抑制されて結果的に1日の総摂取カロリーが減少するという研究結果があります(※8)。たとえば卵2個、納豆1パック、ギリシャヨーグルト1個で約30gのタンパク質が摂れます。
また、血糖値スパイクを防ぐ食べ順も重要で、野菜→タンパク質→炭水化物の順で食べることで、食後の血糖値上昇が緩やかになり、脂肪蓄積を抑えやすくなります。なお食物繊維は1日25gを目標とし野菜、海藻、きのこ類をできるだけ毎食取り入れましょう。(※9)(※10)
このほか、外食や会食でのメニュー選びのポイントも参考にしてみてください。
・居酒屋
焼き鳥(塩)、枝豆、刺身、焼酎を選び、揚げ物や締めのご飯・麺は避ける
・イタリアン
魚介メイン料理、サラダを多めに注文し、パスタは少量シェアまたは前菜のみにする
・和食
焼き魚定食、刺身定食で、ご飯は半分残すか小盛りを注文する
・ファストフード
グリルチキンサラダ、チキンバーガー(バンズ半分残す)などタンパク質中心を選ぶ
いずれも「我慢」ではなく「設計」するという発想が重要です。満足感を保ちながらカロリー密度を下げる3つのテクニックは
「かさ増し(野菜でボリュームアップ)」
「置き換え(白米を玄米や雑穀米に)」
「調理法の工夫(揚げるではなく焼く・蒸す)」
です。これらも覚えておくと自炊や外食の際のメニュー選びに役立ちます。
週2〜3回の筋トレや有酸素運動を習慣化する
減量後も筋肉量を維持し基礎代謝の低下を防ぐためには、週2~3回、1回10~20分の筋トレを取り入れることが大切です(まずは無理のない範囲から始めてください)(※11)。筋肉量を維持・増加させることで基礎代謝が保たれ、安静時のカロリー消費が増えます。
ジムに通う時間がない方では、自宅でできる自重トレーニングを取り入れて主要な筋肉群を鍛えていきましょう。
・スクワット
足を肩幅に開き、膝がつま先より前に出ないよう、お尻を後ろに引きながら腰を下ろす。
10~15回×2セット
・プッシュアップ(腕立て伏せ)
肩からかかとまで一直線を保ち、胸を床に近づける(膝をついた状態でも可)。
10~15回×2セット
・プランク
肘とつま先で身体を支え、頭から足まで一直線を保つ。
30~60秒×2セット
このほか、通勤中や家事中に組み込む「ながら運動」も効果的です。階段を使う、電車で立つ、つま先立ちで歯磨き、お腹を凹ませるドローインを信号待ちで行うなど、日常に運動を組み込むことで、1日あたりの基礎代謝を増やしましょう。
また停滞期に入ったら、週1回20~30分の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)を追加するか、筋トレの負荷をアップさせるのも効果的です。
不安からくる食欲や衝動食いをコントロールする
「身体的空腹」と「心理的空腹」を見分けることが、リバウンド防止につながります。食べたくなったときに「今リンゴを食べられるか?」と自問してみてください。YESなら身体的空腹、NOなら心理的空腹です。(※12)(※13)
心理的空腹の(実際には栄養が必要ない)場合は水を飲み、別の場所へ移動して深呼吸をするなどし、脳の意識をそらしましょう。
また、食べ過ぎた日からの立て直しも重要です。翌日にリセットしようと極端な食事制限をすると、かえって空腹感が増し、さらなる過食を招くおそれがあります。(※14)
そのため翌日と翌々日の摂取カロリーを通常より抑えるなど、無理のないリカバリーを実践しましょう。
リバウンドした場合、マンジャロを再開できる?

マンジャロを止めたあとにリバウンドしてしまった場合、再開を希望する際は必ず医師に相談してください(※15)。再開の可否はリバウンドの程度、健康状態、中止した理由(副作用、経済的理由、目標達成など)によっても判断が変わります。
また再開にあたっては、前回のリバウンド原因を分析するとともに、食事と運動習慣の改善を並行して進めることが重要です。マンジャロだけに頼るのではなく、生活習慣の改善と組み合わせることで、今度こそリバウンドしにくい体質を作っていきましょう。
マンジャロのリバウンドについてよくある質問(Q&A)
Q1:リバウンドは必ず起きますか?
リバウンドは必ず起きるわけではありません。マンジャロ中止後の体重変化は個人差が大きく、治療中に食事・運動習慣をしっかり改善できた方は、体重を維持できる可能性が高まります。
本記事「臨床データから見る「リバウンドする確率と時期」」で説明したSURMOUNT-4試験では、中止群の平均で減少体重の約半分が戻りましたが、これはあくまで平均値です。重要なのは、薬の効果だけに頼らず、自分自身の生活習慣を改善することです。
Q2:中止後はどれくらいで体重が戻りますか?
中止後の体重増加の時期は個人差がありますが、2~3週間で食欲の変化を感じ始める方が多いようです。(※16)一方、段階的な中止をしたり改善した生活習慣を維持したりすることで、中止後も体重がほとんど変わらない方もいます。
Q3:リバウンドしたら再開してもいいですか?
リバウンドした場合の再開は可能ですが、必ず医師に相談してください。医師は、リバウンドの程度、健康状態、前回の副作用の有無などを総合的に判断し、再開の可否や適切な投与計画を提案します。リバウンド原因を分析して、食事・運動習慣の改善を並行して進めることが重要です。
Q4:やめた後に食欲が急に戻ったらどうすればいいですか?
食欲が急に戻ったら、まずは「身体的空腹」か「心理的空腹」かを見分けましょう。心理的空腹なら「3分ルール」で、身体的空腹ならタンパク質を含む軽食(ゆで卵、ナッツ、ヨーグルトなど)を計画的に摂ることで対処します。食欲が戻るのは自然な反応なので、過度に不安にならず適切に対処していくことが大切です。
Q5:目標体重に達したらすぐ中止していいですか?
急な中止は推奨されません。目標体重を達成したあとは維持期間を設け、健康的な食事や運動習慣を確立していくことが大切です。その後、段階的な投与間隔の延長を実践し、少しずつ身体を慣らしながら卒業を目指しましょう。
Q6:他の薬に切り替えるといった方法もありますか?
マンジャロから他のGLP-1受容体作動薬への切り替えは、副作用や血糖変動のリスク管理のため必ず医師と相談して決定してください(※17)。切り替えの理由(副作用、効果の減弱、経済的理由など)によって、判断が異なります。
また薬を変更しても、根本的な生活習慣が改善されていなければ、将来的なリバウンドリスクは変わりません。薬の切り替えを検討する際は、同時に食事・運動習慣の見直しも行いましょう。
当クリニックでは医師によるオンラインサポートを実施!二人三脚で治療のゴールを目指します
当クリニックでは、医師によるオンラインサポートを実施しています。体質や生活習慣、お悩みは患者さまによって異なりますので、一人ひとりに合った綿密な治療計画を立案し、二人三脚で治療のゴールを目指してまいります。
マンジャロ治療を検討されている方、不安や疑問がある方もお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。
(注釈・参考文献)
※1:https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2812936
※2:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39996356/
※3:https://health.ucdavis.edu/news/headlines/uc-davis-health-examines-systemic-impact-of-glp-1based-therapies/2025/12
※4:https://www.gastroenterologyadvisor.com/features/weight-training-and-glp-1-therapy-for-optimal-weight-management/
※5:https://www.scientificamerican.com/article/what-happens-after-you-quit-weight-loss-drugs-a-new-study-offers-some-clues/
※6:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5161655/
※7:https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/why-stress-causes-people-to-overeat
※8:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16002798/
※9:https://diabetesjournals.org/care/article/38/7/e98/30914/Food-Order-Has-a-Significant-Impact-on
※10:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
※11:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19127177/
※12:https://www.mayoclinichealthsystem.org/hometown-health/speaking-of-health/feeding-your-feelings
※13:https://www.psychologytoday.com/us/blog/its-not-just-baby-fat/202210/mindful-eating-offset-food-cravings
※14:https://health.clevelandclinic.org/what-to-do-after-binge
※15:https://onlinedoctor.asda.com/uk/restarting-mounjaro.html
※16:https://www.healthline.com/health-news/mounjaro-zepbound-changes-after-stopping
※17:https://www.goodrx.com/classes/glp-1-agonists/switching-between-glp-agonists





