本記事で紹介しているマンジャロおよびゼップバウンドの美容・痩身・ダイエット目的での使用は、日本において承認されていない効能・効果の範囲外(適応外使用)です。当該使用により健康被害が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない可能性があります。また、本記事は情報提供を目的としており、効果・効能を保証するものではありません。使用にあたっては医師の診察・判断のもとで行ってください。
マンジャロとゼップバウンドは有効成分が同じ「チルゼパチド」で、作用機序や想定される副作用には共通点があります。大きく違うのは、国内承認された適応症(マンジャロは2型糖尿病、ゼップバウンドは肥満症)と、それにともなう保険適用の条件や費用などです。
この記事では、両者の共通点と違いを成分・効果・副作用・投与方法・費用などの観点から比較表とともに整理し、よくある疑問にもお答えします。自分に合った選択を医師と相談しながら判断するための土台にしてください。
当クリニックでは現在、自由診療におけるゼップバウンド処方は行っていません。本記事では、2型糖尿病治療薬として国内承認されているマンジャロと、肥満症治療薬として国内承認されているゼップバウンドの違いを、一般的な医療情報として解説しています。薬剤の使用可否や切り替えについては必ず医師にご相談ください。
マンジャロとゼップバウンドの共通点・違い


マンジャロとゼップバウンドは、有効成分がどちらも同じチルゼパチドであるため、作用機序や副作用には共通する点があります。大きな違いは、国に承認された対象の病気(適応)で、マンジャロは「2型糖尿病」、ゼップバウンドは「肥満症」の治療薬です。(※1)(※2)(※3)
適応の違いから、公的医療保険が適用される条件や費用、入手のしやすさなどが変わってきます。まずは比較表で全体像を確認しましょう。
| 項目 | マンジャロ | ゼップバウンド |
|---|---|---|
| 有効成分 | チルゼパチド | チルゼパチド |
| 分類 | GIP/GLP-1受容体作動薬 | GIP/GLP-1受容体作動薬 |
| 国内承認(適応) | 2型糖尿病 | 肥満症 |
| 国内承認日 | 2022年9月26日 | 2024年12月27日 |
| 用量 | 2.5mg/5mg/7.5mg/10mg/12.5mg/15mg | 2.5mg/5mg/7.5mg/10mg/12.5mg/15mg |
| 用法 | 週1回・皮下注射 | 週1回・皮下注射 |
| 製造販売元 | 日本イーライリリー | 日本イーライリリー |
有効成分・用量規格・作用機序には共通点がある
マンジャロとゼップバウンドは、どちらもイーライリリーが開発・製造し、日本では田辺三菱製薬と共同で販売されています。用量は2.5mg・5mg・7.5mg・10mg・12.5mg・15mgの6規格で共通しており、有効成分も同じチルゼパチドです。
成分が同一であるため、血糖値や食欲に働きかける作用機序(GIPとGLP-1という2つの受容体に作用する仕組み)も同じです(ただし承認された効能・効果が異なります)。(※2)(※3)
適応症例・目的・用法が異なる
マンジャロは「2型糖尿病治療薬」として、ゼップバウンドは「肥満症治療薬」として承認されている薬剤です。そのため、添付文書に記載の効能・効果、対象患者、保険適用の条件などが異なります。
ダイエット目的でマンジャロが選択肢に入ることがある背景
体重管理を目的に、肥満症治療薬である「ゼップバウンド」ではなく、2型糖尿病治療薬の「マンジャロ」を選ぶ人がいます。この理由としては、マンジャロのほうが承認・発売が早く(2023年発売、ゼップバウンドは2025年発売)、流通実績があり入手しやすい点が考えられます(流通状況や取扱状況は医療機関によって異なります)。
また、自由診療ではゼップバウンドより価格を抑えられる傾向があることも一因と考えられます。ただし、マンジャロをダイエットで使うことは、国内承認された効能・効果の範囲外(適応外使用)にあたり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性がある点に注意が必要です。(※4)
▼それぞれの薬剤について詳しくは、こちらも記事でも解説しています。
話題の注射薬「マンジャロ」とは?仕組み・期待できる効果・注意点まとめ
ゼップバウンドとは?マンジャロの進化版GLP-1/GIP製剤が海外で販売開始
マンジャロとゼップバウンドの臨床試験における効果の違い

有効成分が同じチルゼパチドのため作用機序は共通しますが、適応や臨床試験の対象者などが異なります。ここでは肥満症に対する効果を示した臨床試験のデータを、出典とともに整理します。なお、以下の数値はあくまで臨床試験の結果であり、効果の現れ方には個人差がある点を踏まえてご確認ください。
肥満症に対するチルゼパチドの効果(ゼップバウンドの承認根拠ほか)
●日本人を対象とした国内第3相試験『SURMOUNT-J試験』(72週時)では、体重のベースラインからの平均変化率がプラセボ群で-1.7%だったのに対し、チルゼパチド10mg群で-17.8%、15mg群で-22.7%でした(※5)
●糖尿病のない肥満・過体重の成人2,539例を対象とした国際共同試験『SURMOUNT-1試験』(72週時)では、体重の平均変化率がプラセボ群-3.1%、5mg群-15.0%、10mg群-19.5%、15mg群-20.9%でした(※6)
2型糖尿病に対するマンジャロの効果(マンジャロの承認根拠)
●2型糖尿病患者を対象とした『SURPASS-1試験』では、最高用量15mgを40週間投与した時点で、HbA1cが最大で約2.07%低下し、体重も減少したことが報告されています(※7)
なお『SURMOUNT-1』『SURMOUNT-J』は、チルゼパチド(マンジャロ・ゼップバウンド共通の有効成分)の肥満症に対する試験です。一方、マンジャロの『SURPASS-1試験』は2型糖尿病患者を対象とした試験であり、体重管理目的の有効性を示すものではありません。
▼マンジャロの効果について詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
マンジャロで何キロ痩せる?臨床データとアンケートをもとに体重変化の目安を解説【医師監修】
マンジャロの効果が出るまで何日かかる?臨床データ・薬理作用・医師への相談目安などを解説【医師監修】
マンジャロとゼップバウンドの副作用の違い

副作用も、有効成分が同じであるため基本的には共通します。代表的なもの吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛などの消化器症状で、多くは投与開始時や増量時に現れやすく、体が慣れるにつれて軽減していく傾向があります(症状が続く場合や強い場合は医師に相談してください)。
また、まれに急性膵炎や胆のう炎、胆管炎などの重い症状が報告されることもあるため、添付文書に基づきリスクを正しく理解しておくことが大切です。(※2)(※3)
低血糖のリスク
マンジャロやゼップバウンド単独では低血糖は起こりにくいとされますが、インスリン製剤やSU薬との併用は添付文書において注意喚起されています。また糖尿病治療において低血糖の誘発因子である食事量の不足や、激しい運動などにも注意が必要です。低血糖には、汗をかく、手や指がふるえる、動悸がする、顔色が悪くなるといった自覚症状があります。(※8)気になる症状があるときは、自己判断せず医師に相談してください。
医療機関へ相談したい症状の目安
- 我慢できないほどの強い腹痛
- 繰り返す嘔吐
- 水分がとれず脱水が疑われる状態 など
こうした症状があるときは、自己判断で様子を見ず速やかに医療機関へ相談してください。これらは急性膵炎や脱水などのサインである可能性があるため、早めの相談が肝心です。
▼マンジャロの副作用について詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
マンジャロの副作用と対処法|自由診療経験者200人への独自アンケートでは「吐き気・嘔吐」が24%【医師監修】
マンジャロの危険性|死亡例との因果関係は?適応外使用のリスクや重大な副作用まで後悔しないための基礎知識
マンジャロとゼップバウンドの投与方法・用量・操作性の違い
投与方法にも大きな違いはありません。どちらも有効成分チルゼパチドを週1回、皮下注射で投与します。日本では使い切りタイプのオートインジェクター製剤が用いられ、用量は少量から段階的に増やしていくのが一般的です。
| 項目 | マンジャロ | ゼップバウンド |
|---|---|---|
| 投与頻度 | 週1回 | 週1回 |
| 投与経路 | 皮下注射(腹部・太ももなど) | 皮下注射(腹部・太ももなど) |
| 製剤の形 | 使い切りオートインジェクター | 使い切りオートインジェクター |
| 用量調整 | 2.5mgから段階的に増量 | 2.5mgから段階的に増量 |
打ち方・全量投与の確認方法
オートインジェクターは、注射部位(腹部・太ももなど)に当てて操作します。マンジャロもゼップバウンドも同じ流れで投与できますが、実際の使用方法は処方時に医師や薬剤師から受けた指導および、説明書に従ってください。
1.緑色の目印がロックの位置にあることを確認する(まだ解除しません)
2.灰色のキャップをまっすぐ引っ張って取り外す(針には触れない)
3.透明な底面を皮膚にしっかり当ててロックを解除する
4.紫色の注入ボタンを押す(1回目のカチッという音が注入開始の合図)
5.2回目のカチッという音(注入完了の合図)が聞こえたら注入ボタンから指を離す
6.透明な窓から灰色のゴムピストンが見えていれば投与完了
7.皮膚から離し、医師の指示に従って廃棄する
打ち忘れたときの対処方法
打ち忘れに気づいたときは、次回予定日までに3日間(72時間)以上が残っていれば、気づいた時点でできるだけ早く投与し、その後はあらかじめ決めた曜日に投与します。次回投与日まで3日(72時間)未満の場合は忘れた分は投与せず、次の予定日に通常どおり投与しましょう。(※2)(※3)なお、医師から個別に指示があった場合はその指示を優先してください。
▼打ち方やタイミング、曜日変更、打ち忘れの対処方法については以下の記事もご覧ください。
マンジャロの正しい打ち方|自己注射の手順・注意点・トラブル時の対応を解説【医師監修】
マンジャロを打つタイミング|吐き気のピークから逆算できる?曜日・時間帯の決め方と打ち忘れ対策・曜日変更まで【医師監修】
マンジャロとゼップバウンドの費用の違い

費用は、公的医療保険が使えるか自由診療かで大きく変わります。2型糖尿病や肥満症と診断され保険診療の対象となれば1〜3割の自己負担で済みます。一方、美容・痩身を主な目的としたダイエット利用は自由診療となり、原則として全額自己負担です。
| 区分 | 費用のイメージ |
|---|---|
| 公的医療保険適用 | 薬価・自己負担割合により変動(最新の薬価・窓口負担は医療機関でご確認ください) |
| 自由診療 | クリニックにより幅があり、薬剤費に診察料・検査費などを加えて月数万円規模になることも |
公的医療保険が適用されるケース
マンジャロは2型糖尿病と診断された場合、ゼップバウンドは肥満症と診断された場合に、それぞれ保険診療の基準を満たすことで公的医療保険が適用されます。なおゼップバウンドは、高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがあり、食事療法・運動療法でも十分な効果が得られず、かつBMIが27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上、またはBMIが35以上といった条件が定められています。(※1)
自由診療になるケースの費用と注意点
美容・体重管理を主な目的とする場合や、保険診療の基準を満たさない場合は自由診療となり、費用は原則として全額自己負担です。費用はクリニックによって幅があります。また、承認された効能・効果と異なる目的で使用した場合、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない可能性があるなど、適応外使用ならではの注意点があることも理解しておきましょう。
薬剤費以外の診察料・送料・検査費用なども含めて確認することが大切
自由診療では、薬剤費だけでなく初診料・診察料、検査費用、オンライン診療なら送料といった費用が別途かかることがあります。「1本あたりの価格」だけで比較すると、実際の総額が想定より高くなることもあります。料金は必ずトータルで確認し、納得したうえで治療を選びましょう。
▼費用の目安はこちらでも詳しく解説しています。
マンジャロの値段相場は?【2.5mg3,685円〜/5mg6,820円〜】経験者アンケートで見えた相場感も|2026年版【医師監修】
マンジャロとゼップバウンドに関するよくある質問

マンジャロとゼップバウンドに関してよくいただく質問に回答します。
Q:マンジャロとゼップバウンドの共通点や違いは?
共通点は有効成分(チルゼパチド)、薬の分類、用量、投与方法などです。一方、違いは承認された病気(マンジャロは2型糖尿病、ゼップバウンドは肥満症)や、それにともなう保険適用の条件・費用・入手のしやすさなどが挙げられます。
Q:どちらのほうが痩せる?
同一成分のため作用機序は共通しますが、個々の効果は状態や用量、治療目的によって異なります。「どちらが痩せるか」よりも、自分の状態に適した薬剤を選ぶことが大切です。
Q:どちらのほうが安い?
自由診療では、一般的にマンジャロのほうが価格が抑えられている傾向があります。ただし最終的な金額はクリニックによって変わるため、診察料や検査費、送料などを含めた総額で比較することが大切です。なお公的医療保険の対象になる場合は自己負担が大きく下がります。
Q:どちらのほうが副作用が弱い?
有効成分が同じであるため、副作用も吐き気や下痢などの消化器症状が中心で、投与開始時や増量時に出やすいといった傾向も基本的には同じです。ただし個人差もあるため、どちらが弱いと一概には言えません。
Q:マンジャロ・ゼップバウンドとウゴービの違いは?
マンジャロとゼップバウンドは、同じチルゼパチド(GIPとGLP-1の2つに作用する薬)です。一方、ウゴービは有効成分がセマグルチドで、GLP-1単独に作用する別の薬です。ウゴービは成分そのものが異なる点が大きな違いです。
Q:ダイエット目的でも公的医療保険は適用される?
美容・痩身を目的とした一般的なダイエットは、公的医療保険の適用外(自由診療)です。適用となるのは2型糖尿病や肥満症として診断基準を満たし、治療上必要と医師が判断した場合に限られます。
Q:マンジャロとゼップバウンドは併用できる?
通常、併用はしません。両者は同じ有効成分チルゼパチドであり、同時に使うと成分が重複して過量投与につながります。自己判断での併用は避け、必ず医師の診断のもとで使用してください。
気になる点は自己判断せず医師に相談してください

マンジャロとゼップバウンドの違いを整理してきましたが、どちらが自分に適しているか、保険が使えるか、副作用にどう備えるかは、一人ひとりの体の状態によって異なります。インターネットの情報だけで判断せず、医師の診察を受けたうえで決めることが大切です。気になる症状や不安があるときも自己判断で中断・継続せず、医療機関に相談してください。
本記事で紹介しているマンジャロは、日本では2型糖尿病治療薬として承認されています。またゼップバウンドは、同じく肥満症治療薬として承認されています。美容・痩身・ダイエット目的での使用は承認された効能・効果の範囲外です。当クリニックでのマンジャロ処方は自由診療です(ゼップバウンドは取り扱っておりません)。標準的な費用、治療期間、投与回数、主なリスク・副作用については、下表または診療ページをご確認ください。また、承認された効能・効果、用法・用量と異なる目的で使用した場合、健康被害が生じても医薬品副作用被害救済制度の対象とならない可能性があります。使用にあたっては、必ず医師の診察・判断を受けてください。
▼オンライン診療のご予約はこちら
マンジャロ処方(オンライン診療)|【公式】マルベルクリニック東京
| マンジャロを自由診療で使用する場合の注意事項 | |
|---|---|
| 治療内容 | 医師の診察により、2型糖尿病治療薬として国内承認されているマンジャロを、自由診療として体重管理目的で使用する場合があります。 |
| 国内承認の状況 | マンジャロは日本国内では2型糖尿病治療薬として承認されていますが、ダイエット目的での使用は承認された効能・効果の範囲外です。 |
| 公的医療保険 | 自由診療のため、公的医療保険は適用されません。 |
| 治療期間・回数 | 週1回の皮下注射を行います。治療期間や投与回数は、医師が診察のうえ体調・副作用・治療方針に応じて判断します。 |
| 主なリスク・副作用 | 悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、食欲低下、低血糖、急性膵炎、胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸などが報告されています。 |
| 入手経路 | 当クリニックで使用するマンジャロは、国内で承認・流通している医薬品を医師の判断のもとで使用します。 |
| 国内承認医薬品等の有無 | 同一成分のチルゼパチドを含む医薬品として、マンジャロが2型糖尿病治療薬として国内承認されています。ただし、体重管理目的での使用は承認範囲外です。 |
| 諸外国における情報 | 海外では体重管理を目的としたチルゼパチド製剤が承認されている国がありますが、承認状況・適応・安全性情報は国により異なります。 |
| 救済制度 | 承認された効能・効果、用法・用量と異なる目的で使用した場合、健康被害が生じても医薬品副作用被害救済制度の対象とならない可能性があります。 |
(注釈・参考文献)
※1:https://medical.lilly.com/jp/answers/265207
※2:https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/530471_2499422G1024_1_10
※3:https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/530471_2499422G7022_1_05
※4:https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0011.html
※5:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40031941/
※6:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35658024/
※7:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10088547/
※8:https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/050/05.html





